煮物、あのレシピを真似したい。でも、量が、材料が違う。煮汁の量は?

インターネットで真似したくなるようなレシピーがたくさん紹介されている。実際に作ろうとするとレシピーどおりの4人前でなかったり、材料の量が違っていたりする。さて、味付けを決める塩や醤油、みりんの量をどうしようか。そんな疑問に応えて、この記事では水分の扱いで煮物の調理方法を分類し、その分類ごとにレシピーの真似の仕方を説明する。
<「科学で調理」 目次>
■ 煮る、茹でるの調理方法
煮物、あのレシピを真似したい。でも、量が、材料が違う。煮汁の量は?
 ・準備中 蒸す(いも、にんじん、なす、玉ねぎ、...)
■ 和え衣・たれ・ドレッシング
 ・準備中 和え衣(ゴマ、からし、黄身、......)
■ 番外
■ その他

紅鮭のリエット/80g,40g

販売価格(税込): 594円、324
あざやかなピンク色。鮭味+クリーム味も美味しい。野菜料理をオシャレにグレードアップします。
  • ご購入グラム数
  • 数量:
目次
煮物を味付けの対象や調理方法からで分類した。煮物は水分に酒、醤油、みりんなどの調味料で味をつけて、具材に味を染み込ませる。調理の中での水の扱いで真似の仕方が違ってくる。

a)味噌汁は汁と具材を楽しむから、
   水+具材の量で調味料を真似る

   味噌汁、豚汁、スープ、ポタージュ、
   ミネストローネ
b)おでん、かぼちゃ煮、煮魚を真似する
b.1)おでんは汁に浸かった具材を楽しむから
  食材の量から水と調味料を真似る
  そば、おでん、ぶり大根、
  煮浸し、シチュー、魚のあっさり煮
b.2)かぼちゃ煮、煮魚は
        煮汁が少なくなるまで煮る
b.2.1)かぼちゃ煮は
   かぼちゃの量から調味料を真似る

  筑前煮、かぼちゃの煮付け、きんぴら
b.2.2)強火で煮魚は泡で味付け、
  蒸発する水分量×2で調味料を真似る

  サバ、カレイ、金目鯛、あなごの煮付け
b.2.3)弱火でコトコト煮魚は
 「こんなもんかな」の水分量で調味料を真似る

  いわし、さんまの当座煮

<参考文献>

「味付けの法則」本谷(婦人之友社)

「和のおかず」野崎(世界文化社)

『美味しさの方程式」野崎(文化出版局)

ほか


a)味噌汁は汁と具材を楽しむから、水+具材の量で調味料を真似る

味噌汁を真似る
いわゆる汁物。味噌汁、豚汁、スープ、ポタージュ、ミネストローネが同じ真似方をする。
汁と具材を味わうので汁の塩分量が重要となる。具材の重量と加えた出汁や水の合計の重量で調味料の量を真似する。
塩分率が0.6%程度のレシピーが多い。具材が多いと汁が濃くなるが、具材と汁を一緒に口にすることになるので余り気にならない。
注意としてはポタージュなど牛乳を使う料理。牛乳を使うと塩分を強く感じる。塩分率を0.3%程度に抑えるレシピーが多い。


b.1)おでんは汁に浸かった具材を楽しむから
  食材の量から水と調味料を真似る

おでんを真似る
煮汁に浸かった具材を味わう料理。おでん、そば、ぶり大根、煮浸し、シチューなどを同じ真似方をする。
煮汁の調味料を時間をかけて、具材に染み込ませる料理。具材の量で水と調味料の量を真似る。


b.2.1)かぼちゃ煮は
    かぼちゃの量から調味料を真似る

ひたひた
かぼちゃ煮は「ひたひた」に水を張ってから、少なくなるまでゆっくりと煮る。煮汁の調味料を具材に吸い込ませたり、周囲につけたりし、最後にはほとんど煮汁を残さない。最後は少なくするので水分は味の濃さいは関係ない。そのため、具材の量で調味料を決める。水、出汁は「ひたひた」の量があればよい。筑前煮もこれと同じ真似方となる。
なお、この調理は底に隙間があまりなく食材が並べられる場合に使える方法だ。鍋底に隙間が多くできる場合はb.2.3)を使う。

<参考文献>

「ひたひた」、「かぶるくらい」、「たっぷり」。料理の水加減、それぞれどのくらい?

https://www.orangepage.net/recipes/cooking_basics/2066
かぼちゃ煮をまねる


b.2.2)強火で煮魚は泡で味付け、
    蒸発する水分量×2で調味料を真似る

蒸発実験
煮魚には強火で3分半程度で煮るものと弱火でゆっくり煮るものと二通りある。
強火で煮る場合は沸騰した泡で味付けし、加えた煮汁の半分程度残すようにする。沸騰でなくなってしまう水分量はコンロの火力、鍋の熱効率、落とし蓋の大きさで決まるがこれは調理場で異なる。解析的に求めることは難しい。
そのため、実験で求めよう
強火で煮魚
真似るレシピの水分がある酒、みりん、醤油、酢、出汁、水などの合計が実験で求めた蒸発量の倍になるようにする。煮汁を実験値の倍にするのは半分蒸発させ、半分残すためだ。
加熱時のポイントは、沸騰してから強火で3分半、煮ることだ。

<参考文献>

ふわットロ!ガッテン流煮魚の作り方

https://www9.nhk.or.jp/gatten/recipes/20190424/1.html


b.2.3)弱火でコトコト煮魚は
   「こんなもんかな」の水分量で調味料を真似る

野菜煮と魚煮の違い
弱火でコトコト煮る魚の煮物は「ひたひた」になる水分量を「こんなもんかな」と予想して加え、調味料の量を決める。
筑前煮のような野菜の煮物の場合は鍋に食材をたくさん入れるため、統計的に具材と煮汁の関係は決められる。魚の場合はきれいな出来上がりを求めると重ねることができない。そのため鍋に隙間ができ、隙間の煮汁量も換算する必要がある。しかし、計算は難しいので「こんなもんかな」と当たりをつけてから、真似をする

<参考文献>

ランダム最密充填 Wikipedia

https://ja.wikipedia.org/wiki/ランダム最密充填

基本のイワシ梅煮 kurashiro

https://www.kurashiru.com/recipes/c873b0fc-c96c-481e-a7db-f415e8120ecd
弱火で煮魚
例では、水、酒、酢が主な水分だ。初めにこの主な水分を入れて当たりをつける。レシピでは主な水分(水、酒、酢)が煮汁の水分の8割なので、「ひたひた」の8割になるまで加える。「ひたひた」の8割は「こんなもんかな」でよい(むずかしく考えても答えがでない)。
そのあと加えた主な水分(水、酒、酢)の量から、残りの醤油、みりんの量を決めて、真似る。
青魚のいわしやさんま、さばの当座煮などがこれと同じように真似することができる。